【内容】
・雑談が生む「本音」と「職場の立体感」
→ 本音がこぼれる瞬間を逃さない
・メンタル不調へのアプローチとしての雑談
→ SNS時代の若者たちに必要なリアルな対話
・雑談を活かすポイント
→ リーダーが実践すべき3つの工夫
「雑談」は、仕事や人間関係において意外と軽視されがちな存在ですが、実はとても大きな力を持っています。
私自身、会社員時代に年間約3万件もの相談や課題解決を行ってきました。
その中で、相手の本音を引き出し、問題の本質に迫る上で、最も有効だった手段の一つが「雑談」でした。
雑談が生む「本音」と「職場の立体感」
面と向かって話す場面では、多くの人が緊張したり、きちんとした発言をしなければという意識に縛られがちです。その結果、本音が隠れやすくなります。しかし、雑談を通じて話すと、予想外の側面や関係性が見えてきます。
例えば、「AさんとBさんは仲が良い」といった小さな情報を得たり、別の人から「Cさんはこう感じているらしい」という話を聞くうちに、職場全体の様子が立体的に浮かび上がるのです。この視点を持つことで、本人の悩みの根源や、組織全体での問題の所在がより明確になります。一対一の真剣な対話だけでは得られない、貴重な情報が雑談には隠されているのです。
「最近、仕事量が多すぎてキャパオーバー気味なんだよね。」
「このままこの部署にいていいのか、たまに考えちゃう。」
「最近、腰が痛くて…デスクワークってやっぱりつらいね。」
「最近、ちょっとモチベーションが続かなくてさ。」
これらの言葉は、雑談の中でぽろっと出てしまうことがあります。面と向かって言うと重く受け止められてしまうかもしれませんが、実はキャリアや健康に関する大切なサインです。このような発言を雑談の中で知っておくことで、相手の悩みを理解し、職場でのコミュニケーションを円滑に進めるヒントにすることができます。
メンタル不調へのアプローチとしての雑談
特に若い世代では、SNSの普及や情報があふれている現代の環境が原因で、メンタル不調を抱える人が増えています。SNSでは他人と自分を比較する機会が多く、やり取りも文字だけに頼りがちです。そのため、相手の気持ちが見えにくくなり、言葉だけでは補えないノンバーバル(非言語的な要素)が不足してしまうことがあります。実際、人間のコミュニケーションの大半は、表情や仕草、声のトーンなどの非言語的な部分から成り立っています。これらを感じ取ることで、初めて相手の本当の状態に気づけるものです。
また、若い世代は小さい頃から人間関係の摩擦を経験する機会が少なくなっていることも、ストレス耐性が低い一つの要因です。親や先生が早い段階で対立に介入してしまうことが多く、子どもたちが自分の力で葛藤を乗り越える経験が減ってしまっています。その結果、人との衝突を解決する方法を学ぶチャンスが少なくなり、人間関係に対する耐性が弱まっているのかもしれません。
そのため、リアルな場での雑談が大切になってきます。ちょっとした会話の中で、相手の微妙な変化や「今日はいつもと違うな」という様子に気づくことができるからです。
楽しい雑談はリラックスした空間を作り、相手との距離を自然に縮めてくれます。本音も引き出しやすくなり、結果として信頼関係が深まります。
雑談を活かすポイント
- 楽しい話題を選ぶ: 愚痴や不満ではなく、気軽で楽しい話題を心がける。
- 目的意識を持つ: 雑談は単なる時間つぶしではなく、相手の状況を知るための重要なツールと捉える。
- 頻度を増やす: 雑談を日常的に取り入れることで、職場全体の雰囲気を柔らかくし、本音を引き出す土台を築く。
まとめ
雑談は職場や人間関係を円滑にする「心の潤滑油」と言えます。本音を引き出し、メンタルケアにも役立つため、雑談を無駄だと思わず積極的に取り入れてみてください。リラックスした会話の中に、思わぬ発見や解決策が潜んでいるかもしれません!
ぜひ、日々の雑談を大切にして、職場のコミュニケーションをより良いものにしていきましょう!
まずは明日のランチタイムに、誰かに気軽な雑談をしてみませんか?その一歩が、職場の雰囲気を大きく変えるきっかけになるかもしれません!