元巨人の桑田氏が先の日本シリーズ戦から見たソフトバンクと巨人の「自主性」の違いをお話されています。この自主性について相談を受けることがあるので、ここで簡単ですがお話させていたできますね。
さらに選手について「本来のスポーツのあり方を実践したと思っています」とし「日本のスポーツ全体そうなんですけど勝負の厳しさばかり前面に出て楽しむという要素が欠けている。今回ソフトバンクの選手を見ていると自分で考え、選手同士が協力してプレーしているように見えた」と分析した。その上で「一方、ジャイアンツは指示待ち。本来の(これまでの)野球界のあり方ですよね。指示待ちのスポーツをしていた。(ソフトバンクは)新しい時代の野球を選手たちも実践して楽しく自分で考えてプレーしていた。非常に対照的に見えたシリーズ」と解説した。さらに「選手も個々の実力も大事だと思うんですが、指示を待って動くのではなくてもっと自分で考えて動くことが普段の生活、練習から大事」
https://hochi.news/articles/20201129-OHT1T50009.html スポーツ報知
いまや高校野球でも「自主性」を育てる指導をしている学校が増えています。
その自主性が育てば育つほど、驚くほど結果が出ています。
(11/20)のNHKテレビ「ナビゲーション」で「部活の時間を減らし結果を出すカギは自主性」と特集をしていました(「静岡聖光学院高等学校・ラグビー部」)
自主性を持って練習をすることで、練習時間が短くても、結果を出すことができる。
という内容でした。短い時間で何をするのかを自分たちで考えて実行していきます。
自主性を作る方法は
指導者が
1.やるべきことの先にある結果をはっきりとイメージさせること
2.信じて見守ること(放任主義ではない)
例えば、「富士山の頂上へ登る!」と決めるとします。頂上へのルートは違っても、自分に合った方法を選んだとしても、頂上に行くとイメージすれば、必ずそこに向かう方法を自分で考えて登っていきます。スポーツで言えば、この頂上が「優勝」です。それを「この装備、この道で行け!30分で休憩をとれ…」と細かく指示を出していたら、自分では考えなくなり、指示を待つようになってしまいます。
また、言う事を聞かなければ「怒鳴る」それを続けると、もう「指示待ち人間の出来上がり」です。この「頂上に登る」が富士山なのか…高尾山なのか…とブレていたら、向かう先がわかりませんから、自主性は育ちません。そのイメージをさせるのが指導者です。
これは、ビジネスも同じです。これは大きな道しるべです。
また、具体的な戦略、戦術についても…野球で例えますが「ヒットを打て!」と「必ず2塁に行く!」とどちらが具体的にイメージしやすいでしょうか?「必ず2塁に行く!」の方がイメージしやすいですよね。これは全員の「攻撃時の目標」になりますが、更に、なぜ2塁に行くのか「目的」はっきりすれば、脳は実現しようと実行していきます。
この2塁にランナーがいることは、ヒットで1点取れる位置です。つまり、2塁を狙うということは「なんとしても1点を取るんだ!」という目的がハッキリわかります。
そうなれば、指導者がいちいち言わなくても、選手は考えて、目標・目的を果たすために自主性をもってがんばります。
しかし、自主性を育てる一番の壁は、指導者の「忍耐力」です。自主性は1、2日で育つものではありませんから。失敗したりするでしょう、心配になって、ついつい口を出してしまう…よくありますよね。
この忍耐を経て結果を出したのは、青山学院(のほう)の原監督です。
箱根常連校になるまで10年。最初から「自主性」を求めることは出来なかったと仰っていました。弱小校でしたから尚更ですよね。今は自分がいなくても先輩が後輩に伝えていく事で自然に「自主性」が育つまでになっているそうです。
勿論、指導者がいらないわけではありません。作戦をたてたり、選手の能力が発揮できる環境創りなど、仕事は沢山あります。
「自主性を育てる」方法は簡単ですが、指導者の「信じて待つ忍耐力」がカギになってくるというわけです。
静岡聖光学院高、大阪桐蔭、青山学院…などなど、結果を出している指導者のコメントを聞く機会があったら、今の話を踏まえて聞いてみてください。「自主性」についてのいいヒントがありますよ^^b