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やるべきことを「継続」する難しさは、私たちの脳の仕組みに深く関係しています。目標を達成するためには、やるべきことに対して行動に移すことが不可欠であり、そして諦めずに継続することが求められます。
ビジネスの成功においても、「行動」と「継続」が鍵となりますが、「特に継続が難しい」と感じることが多いのではないでしょうか。

脳の三層構造

脳は複雑ですが、目標達成のための仕組みは簡単です。

〇大脳新皮質(知性脳)
一番外側の脳。左脳と右脳に分かれており、脳梁で繋がっています。
左脳は論理的、意識など過去を分析して物事をじっくり考える脳
右脳は感覚的、イメージ、ひらめきの脳です。
「相手の気持ちを考える」などの人間らしさを担う脳です。

〇大脳辺縁系(感情脳)
喜怒哀楽を担う脳です。

〇脳幹(反射脳)
呼吸や睡眠、体温調節、代謝などの生命維持を担う脳です。
神経伝達物質(脳内ホルモン)を分泌します。

感情がマイナスならば…

感情がマイナスな状態では、脳幹からはストレスホルモンであるコルチゾールが分泌され、思考もマイナスになります。
一方で、感情がプラスならば、体調を管理する脳幹からはドーパミンやセロトニンなどの良い影響を与えるホルモンが分泌されます。
こうした感情の影響が、やるべきことを継続する上で大きな要因となります。

「好き」「嫌い」は扁桃体が決める

感情を司る大脳辺縁系(感情脳)は情動を担っていますが、特に情動に関わっているのが、大脳辺縁系にある1.5cmのアーモンド形をした「扁桃体」という原始の脳です。魚にもある原始的な脳で、生存するための選択をする脳です。
感情を司る大脳辺縁系にある扁桃体は、「好き」「嫌い」を決定する役割を果たしています。この扁桃体が判断するのは、生存に関わる判断の名残であり、その反応スピードは驚異的に早くわずか0.2秒、それ以上ともいわれています。残念ながら、そのほとんどが「嫌い(不快)」の反応です。

人は「楽しいこと」しか続かない?

例えば、趣味や好きなことには、ウキウキして、早起きも平気、少々熱があっても出かけてしまう。「楽しい」ことは、率先して行動でき、継続も苦痛でなく、むしろ、ずっと続けていたいと思いますよね。
逆に仕事や勉強は「正しい」ことなのに、嫌々行動し、やる気も起こらない。継続が苦痛でしかない。ということが往々にしてあると思います。
これは、脳の仕組みに関係があります。
人間は、正しいことではなく、楽しいことしか続きません。いくら意識で正しいと思っていても、脳には正しいという基準がないからです。

「楽しいことは続くに決まっている、でも、仕事や勉強は正しいことだから、やるのが当たり前でしょ?」と言われるかもしれませんが、いくら、意識で「正しい」と思っても、無意識下では「正しい」という基準がないので、意識で頑張るには限界があるのです。

この「正しい」は私たち、それぞれの価値観です。
仕事や勉強が万国共通で最優先する正しいことなのかといえば、そんなことはありませんよね。国や地域、また、時代によっても異なります。
「仕事をすることが正しい」「勉強することは正しい」は、今の私たちの価値観で正しいと思っているだけなのです。

楽しくなる工夫で、ドーパミンの効果を利用する

「楽しい」という状態は、扁桃体が快になり、ドーパミンと呼ばれる報酬系のホルモンを脳幹から分泌させることで生まれます。ドーパミンは、快感を感じると活性化し、集中や、やる気にも影響を与えます。

「楽しい」で分泌する「ドーパミン」も「正しい」では分泌しません。

私たちはすべて自分の意志で選択して行動していると思いがちですが、実は脳内ホルモンの影響を受けて行動しています

夢や目標、仕事、勉強、スポーツ、例えば、仕事をすることは「正しい」ことです。正しいことなので、無理をしても、かんばり続けることで一定の成果はでます。
しかし、「やらなければいけない」と無理して頑張ると、燃え尽き症候群や最悪、鬱になってしまいます。この我慢状態は、ストレスホルモンのコルチゾールを分泌し、分泌し続けると、体調を崩す原因にもなってしまうのです。

ワクワクがうまくいくカギ

楽しみながら行うことで、能力も開花し、驚くような結果を出すことができます。
脳がワクワク状態は、脳幹からはドーパミンが出ているので、楽しくて仕方がない状態になっています。
つまり、ドーパミンを分泌させるよう、楽しくなるように工夫をすることが「継続」させる秘訣なのです。

私たちは、真逆なことを教わってきました。
結果を出すには、「苦しいこと」「辛いこと」でも、無理をしても歯を食いしばって頑張ることが大事だと、教わってきましたが、どんなに無理をしてがんばっても「楽しんでやっている人」には、敵いません。

「楽しいばかりでは成長しないよ」と思うかもしれませんが、この楽しいは苦しいときもそれを楽しめる工夫も含みますが、まずは「頑張る」ではなく、「楽しみながら」スタートし、それを継続させることが大切です。

最近、アスリートが試合の前や後に「楽しんできます」「楽しかったです」と、コメントをするのを聞くことがあると思います。
ひと昔前には、試合の前後に「楽しい」なんて言葉を発するのは不謹慎だと怒られていました。しかし、今では脳科学的にも、楽しみながら行う方が、能力が開花し、驚くような結果が得られることが示されています。

仕事や目標は、楽しむ工夫をしてワクワク状態で達成へ進んでいきましょう。

まとめ

継続ができないのは、心が弱いからではない。
無意識の脳には「正しい」の基準がなく、楽しいことしか続かないという仕組みがある。
仕事や目標達成のための継続は、「正しい」ことではなく「楽しい」ことだと思える工夫をする。
楽しさを引き出す工夫が継続の秘訣であり、ドーパミンの効果を利用して楽しんで行動することで、成功に繋がる可能性が高まる。
「ワクワク」が成功の鍵であるという理由は脳科学で証明されている。